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女子大生の雑記ブログ

ジョーカーの精神疾患について|ネタバレあり

映画 JOKER ネタバレあり

 

【 注意 】

まだまだ勉強中の看護学生がジョーカーを見て感じたことを乱雑にですがまとめました。(実習の合間なので丁寧に書けなかったです。すみません。)

精神病を持つアーサーを看護の視点から見て書いていますが、勉強不足のことも多いため、もしかしたら間違った知識を書いていることもあるかもしれません。なので、「そんなふうに映画の解釈をした人もいるんだなあ」くらいの気持ちで読んでほしいです。

 

 

私がこの作品から感じたことを1つずつ話していきます。

 

1.アーサーは統合失調症だった?

主人公アーサーはもともと福祉サービスを受けており定期的なカウンセリングと薬の服用を続けていましたね。

これは作中でも言っていたように突発的に笑いだしてしまう疾患への対症療法なのはもちろん、統合失調症のケアも行っていたのでは?と考えています。

なぜならアーサーの母親は妄想型統合失調症を患っており、さらに養子として幼少期暮らしていた家では父親から虐待とそれを傍観する母親(ネグレクト)という環境のもとアーサーは暮らしていました。

精神病は遺伝的な因子と幼少期の虐待やネグレクトなど後天的な環境因子が発症率を上昇させます。

これだけ危険因子が揃った中で過ごしていたアーサーが統合失調症になるのは不思議ではありませんね。

 

2.カウンセリングと服薬が中止されたことによる統合失調症症状の悪化

財政難に陥っていたゴッサムシティはついに医療費の削減へ踏み出します。アーサーが受けていた福祉施設もなくなってしまいましたね。

通常、統合失調症薬物療法と精神療法を続ければ長い期間を経て40%が寛解へ向かいます。しかし、治療を受けられなくなったアーサーはその後症状が悪化し隣人の女性と愛し合うという妄想が始まります。

(精神病を患っているようだったので、治療が中断された時点で何かしらの症状が出てくるのでは?と思いました。その後、女性と仲良くなったので「あ、これ妄想かな?」と思っていたらやはりそうでした。^^; )

 

3.アーサーを見て未熟な看護学生が感じたこと

アーサーがなぜ猟奇的殺人鬼になってしまったのか。それは上であげたように精神疾患(統合失調症)が原因にあげられると思います。

なら、精神疾患だから殺人をしたのか?といったらそれは違います。

今回本当に重要なのは精神疾患をもつ患者への必要な医療が行えていなかったことだと思います。

上の事項でも話したように統合失調症は適切な治療を続ければ寛解する人も多くいます。しかしアーサーは治療が中止され、職場の解雇や不当な暴力などを受け症状が急激に悪化してしまいました。

 

日本では地域での精神疾患をもつ人達への受け入れが遅れています。日本の精神病院では平均在院日数は312.9日、比べて海外では18.1日です。なぜここまで差が大きいのかというと、日本では精神疾患を持つ人が社会に出たあとの支援が充実していないために治療の必要はないのに社会的入院を余儀なくされるケースが多いからです。

そこで日本では2004年に政府は精神保健医療福祉の改革ビジョンを立ち上げ、退院後の地域の受け入れ体制の強化に力を入れようとしています。

 

日本で精神疾患をもつ人達が安心して暮らせるようになるために、受け入れの拡大とアーサーのように途中で投げ出されることがなく充実した医療が受けられるようになったらいいなと思いました。